TBSラジオ「たまむすび」の町山さんのコーナーで取り上げられてた、Netflixオリジナルのドキュメンタリー作品『ブラジル -消えゆく民主主義』。
本日午後3時からTBSラジオたまむすび「町山智浩のアメリカ流れ者」では、2000年代に経済的躍進を遂げたブラジルがその後の政治的混乱のなかで極右大統領を選ぶまでのドキュメンタリー『ブラジル 消えゆく民主主義』(Netflixで配信中)について話します。https://t.co/YRyR4lPDuU
— 町山智浩 (@TomoMachi) July 15, 2019
ものすごく興味が湧いたので観てみました。
これブラジルだけでなく、世界的にこんな動きになっているのではと恐ろしくなる内容です。
町山さんが話した内容はこちら。
ブラジルー消えゆく民主主義ーのあらすじ
長い間、軍事独裁政権下にあったブラジル。
1985年、21年間に渡る独裁政権が終わりますが、民主化はまだまだ国民が満足できるものではありませんでした。
そこで現れたのが、労働者党のルーラ。
ルーラは貧しい労働者の家で生まれ、自動車工場で労働組合の中心的存在になります。
1979年に起こった大規模な労働者のストライキでリーダーに立ち、翌80年には「労働者党(PT)」を結党。
1989年から大統領選挙に立候補するも、最初は強硬なリベラル路線を取り落選。
続く1994年・1998年も落選します。
強行路線から少し議会寄りへ柔和に変化し、ついに2002年大統領になります。
ブラジル初の労働者からの大統領の誕生です。
長く続いた独裁政権から本当の民主主義へ変わると、多くの国民に希望の光が見え始めます。
ルーラは「ボルサ・ファミリア」という政策をとり、極貧家庭へ毎月30ドルの援助を支給したりと、貧困層への支援を手厚く行います。その結果、アフリカ系子孫の進学率は3倍になり、失業率はブラジルで歴代最小へ。世界中が不況にあえぐ中、驚異的な経済発展を遂げるなど、大きな成果を出すのです。
当時のアメリカ、オバマ大統領にも「最高にいいやつだ」なんて劇中で言われている映像もあります。
満期である2期大統領を務め、後継者としてブラジル初の女性大統領となるジウマを後釜にすることにも成功。ルーラは支持率87%という高い支持率のまま大統領としての任期を終えます。
後任のジウマ政権も順調に進むのかと思いきや、支持率がピークを迎えたころ連立を組むブラジル民主運動党(PMDB)から権力を剥奪。銀行への利下げを要求します。
しかし経済は低迷・・・。
ジウマは支持率をさげ、ブラジル国内で様々な運動が起こり政府は信頼を下げていきます。
政府は信頼回復を図るべく、政治家の汚職の一掃に躍りでます。そこで明るみに出たのが、オペレーション・カー・ウォッシュ。
これがブラジル国内最大の汚職事件となり、国家を揺るがすことになるのです。
オペレーション・カー・ウォッシュを指揮したモロ判事はマスコミに担ぎ上げられ、嫌疑は前大統領のルーラへとおよびます。
2014年の大統領選挙でジウマは再選するのですが、今度は対立候補だったアエシオが再選直後のジウマ大統領の弾劾に動き出します。議会はこれを受理。ジウマは大統領を弾劾されてしまいます。
その後、ジウマの副大統領も務めたテメルが大統領に代任しますが、不正をリークされ失脚。
前大統領ルーラは次の選挙への立候補を目指しますが、カー・ウォッシュの上告を棄却され刑務所に収監。
そんななか、極右思想で「ブラジルのトランプ」といわれるジャイール・ボルソナーロが大統領が生まれる。
という話です。
メチャクチャ政党が多いブラジル議会
ジウマ政権失脚のきっかけのひとつとして、PMDBから権力を剥奪して銀行に金利を要求したことがあります。
ブラジル議会は政党の数がものすごく多く、1党で過半数をとることができません。
劇中で大統領を弾劾されたジウマが言っていますが、ブラジル議会で過半数の議決を得るには、20の党の協力が必要なのです。
ルーラは61%の指示を受け大統領になりましたが、ルーラの労働党だけでは議会で過半数をとることができません。大統領となったルーラの労働者党は、議会で当時最大の党だったPMDBに頼ります。
ルーラが大統領の時代は、政策もうまくいき成果が出ていたのでPMDBとうまくいっていたのでしょう。後釜のジウマ大統領就任の際にも、PMDBのテルメを副大統領に据え、より関係は強固になると思えましたが、これが裏目に出てしまうのです。
テルメは、ジウマ大統領の弾劾に大きく関わっていたのですから。
最終的には富裕層に都合のいい少数独裁政府に
映画はルーラやジウマが追い込まれていく過程を追っていますが、何ひとつとして確実な証拠が無いのに有罪にされたり、大統領弾劾に追い込まれています。
そして、ブラジルの司法制度が、またひどい。
裏では政治家同士が札束で殴り合い、足の引っ張りあいをしている中、トランプのような極右思想の大統領が生み出されてしまう。
政治の混乱に乗じて、マスメディアを牛耳る富裕層に印象操作されてしまった結果という感じがします。
このあたりは、アメリカでも、そして日本でも同じようなことが行われていますね。
オペレーション・カー・ウォッシュを描くドラマもNetflixで
『ブラジル -消えゆく民主主義-』では、オペレーション・カー・ウォッシュには、ルーラもジウマも関わった証拠が無いものとして描かれています。
それとは真逆に、ルーラとジウマがこの汚職事件の首謀者であるような描き方をされているドラマもNetflixで配信されているんです。
それが「メカニズム」。
ブラジルでは「オ・メカニズモ」のタイトルで配信されています。
1話目のタイトルが「洗車場」。飛ばしながら見ましたが、完全に2人の元大統領を悪意的に描いています。しかも物語の最初に、この物語は事実に基づいたフィクションであるって書いてあるんです。
ブラジルでは2018年3月から配信。
折しも前大統領ルーラが、この件で収監されたりしている最中。
大統領選の前なんで、やっぱり印象操作だろって思っちゃいます。
日本も似たような状況になってるような・・・。
日本だけでなく世界もですが。




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